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プリセールス&カスタマーサクセス マネージャーSAP 2025年問題への取り組み:EHP適用・S/4HANAへの移行への障壁(Unicode化)
EHPのサポート終了について
SAP ERPユーザの皆様にとっての大きな課題のひとつに「SAP 2025年問題」があります。
本記事をご購読の皆様には釈迦に説法だとは思いますが、「SAP 2025年問題」とはSAP社の基幹システムSAP ECC 6.0のEHP5以下をご利用の場合、その保守サポートが2025年で終了する、というものです。
SAP ECCの各バージョンの保守サービスは以下の通りとなっています(2022/1/27時点)。
「SAP 2025年問題」まで、3年を切りました。
「SAP 2025年問題」を乗り切るためには、延長保守サービスが適用されるEHP6以上、もしくはS/4HANAへの移行が必要になります。
Unicodeへの対応
将来、S/4HANA化を検討しているが、現時点で具体的なロードマップが決まっていないお客様は、ぜひとも現在お使いのECCの文字コードが『Unicode』か『Non-Unicode』かをご確認ください。
SAPでは、主にR/3時代にはNon-Unicode、ECC時代にはUnicodeが主流となっており、R/3からアップグレードをしてECCをご利用の場合は、Non-Unicodeを使用している場合があります。
S/4HANAではUnicodeのみがサポートとなっているため、現在、Non-UnicodeでECCをご利用のお客様に関しては、『Unicode化』を行う必要がございます。
また、ECCにおいても、EHP8はUnicodeのみサポートとなっています。
『Unicode化』のプロセスを非常に簡単に説明すると、データベースに保管されているSAP関連の全データを一度Exportして、システムをUnicode用に再構築した後、全データをImportします。(システムダウンタイムが発生します)
また、アドオンプログラムにおいても注意が必要です。
Unicode環境とNon-Unicode環境では、アドオンプログラムの互換性が保証されていないので全アドオンプログラムにおいて、Unicode化対応におけるプログラムの個別修正に膨大な工数を要します。
つまり、Unicode化を行うためには、長期間のプロジェクトを立ち上げる必要があります。
将来、S/4HANA化を検討していて、Non-Unicodeをご利用のお客様に関してはUnicode化をロードマップに加えて頂く必要があります。
S/4HANA化とUnicode化を同時進行する場合は、大規模な本番機のダウンタイムが2回発生するとご認識ください。
これは本番機のダウンダイムが大幅に増大することを意味しております。
(EHP8へのアップグレードについても同様の注意が必要です)
プロフィール
気がついたらSAPの世界に20数年。外資系テクノロジーコンサルティングファームにて数多くのSAP 移行、アップグレードプロジェクトに参画。その後、コンサルファームで複数のSAP導入プロジェクトの経験を経て、PanayaにJoin。