SAP標準のカスタムコード分析ツール(ATC)のご紹介
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S/4HANAへの移行では、さまざまな視点からのカスタムコードの分析が必要になってきます。カスタムコードの数が多くなれば全量を把握し、正しく分析するには、非常に膨大な工数を必要とし、S/4HANAコンバージョンプロジェクトのキックオフの大きな足かせとなるでしょう。
Panayaでは、独自で開発したカスタムコード分析エンジンでの分析結果に加え、SAP社標準のカスタムコード分析ツールABAP Test Cockpit (ATC)の分析結果も取り込み、お客様に分析結果を提供させていただいております。
ATC(ABAP Test Cockpit)とは
ATCとは、SAP社が提供しているカスタムコード分析ツールで、SAP S/4HANAコンバージョンに際し、特定のターゲットバージョンで変更されたオブジェクトの一覧情報 (Simplification Database) を参照し、カスタムコードの影響分析をコーディングレベルで実施します。
分析は「ABAP Dictionary Views」「Database Operations」「Field Length Extension」などの様々な視点で実施されます。
また、データベースがHANAに変わることによる影響分析の結果、例えば、「データベース依存であるネイティブSQLの使用箇所」や「ORDER BY無しでは結果の表示順序が変わってしまい、予期せぬ動作をする可能性がある箇所の特定」、「プール/クラスタテーブルの使用箇所」などを表示します。
分析結果の活用例
分析結果は大きく2つのカテゴリに分類して、対応する必要があります。
1. カスタムコード分析(Custom Code Analysis)
S/4HANAコンバージョンツールを使って実際にS/4HANA化するための準備作業になります。
ここでは、Workload Monitor(ST03N)やABAP Call Monitor (SCMON)などのツールを使って、本番機で使用実績のないカスタムオブジェクト、いわゆる「塩漬けカスタムオブジェクト」を特定し、プロジェクトのスコープ外にする、もしくは削除を検討いただくことで、プロジェクト全体の工数や期間を削減することが可能となります。
2. カスタムコード適応(Custom Code Adaptation)
S/4HANAコンバージョンツールを使って実際にS/4HANA化した後の作業になります。影響のあるカスタムオブジェクトおよびコード箇所は特定済みですので、カスタムオブジェクトをS/4HANA環境に適応させます。
Panayaでは、ATCの分析結果に対して、「自動コード適用」ツールのご用意がございます。Panayaがご提案するコードを実際にご確認いただけますので、コードレビューした後、そのままご利用いただくことで、工数の削減が実現可能です。
PanayaとATC
既述のとおり、Panayaでは独自の影響分析エンジンとATCを組み合わせて、S/4HANAコンバージョンの影響を分析します。そのため、ATC単体よりも網羅性の高い分析結果をご提供できます。
また、これまでの多数の実績とフィードバックにより、より洗練されたATCセットアップ手順書および操作手順書を日本語でのご提供が可能です。
現在、S/4HANAコンバージョンをご検討の方は、ぜひとも弊社までご連絡ください。
プロフィール
気がついたらSAPの世界に20数年。外資系テクノロジーコンサルティングファームにて数多くのSAP 移行、アップグレードプロジェクトに参画。その後、コンサルファームで複数のSAP導入プロジェクトの経験を経て、PanayaにJoin。